三社祭の700年の歴史とは?東京浅草を彩る伝統行事を深ぼる

東京の心地浅草で毎年賑わう三社祭は、700年もの長い歴史を持つ日本三大祭のうちの一つです。浅草神社と密接な関係にあり、現代でも多くの人を引き寄せます。

この記事を通じて、三社祭の起源や独特の祭事がどのように年代を超えて継承されてきたのか、さらにはその文化的意義や見所まで紹介します。

 

三社祭とは?

三社祭(さんじゃまつり)は、東京都台東区の浅草にて、五月の第三土曜日を基点とした金・土・日曜日に毎年行われる、日本を代表する伝統的な祭りの一つです。

この祭りは、浅草神社(せんそうじんじゃ)の三社(神輿)を中心に行われ、国内外から三日間で約180万人の観光客が訪れます。

ここでは、その起源や特徴について触れていきます。

三社祭の起源

三社祭は、1312年に船に神輿を載せて隅田川を渡御*した「船祭り」が起源と云われています。やがて、浅草神社に祀られる3柱の神様が神輿に乗って街の様子をご覧になるという言い伝えが広がり、三社祭と呼ばれるようになりました。

 

昔は3月18日を中心に開催されていましたが、明治時代(1868〜1912年)に5月に行われるようになりました。

渡御*・・・神社の祭礼の際、神霊が神社を出ること

 

三社祭が行われる場所と時期

三社祭は毎年5月の第三金曜日から始まり、三日間続きます。祭りは東京の東側エリアの台東区・浅草に所在の、浅草神社を中心とするその周辺で開催されます。

 

この期間中、浅草の街は祭りで賑わい、豪華な装飾が施された三基の神輿渡御を主として多くの行事が浅草寺を中心にして行われます。

 

三社祭と浅草神社の歴史

三社祭の起源で三柱の神様について触れましたが、この三柱の神様はもともとは人間でした。

 

推古天皇*の時代に漁師だった檜前兄弟とこの辺りの知識人だった土師氏が、隅田川から聖観世音菩薩像を引き上げ、自宅に祀ったことで、浅草寺が創始されます。そして、浅草寺の建立に貢献したこの3人を神様としてお祀りしたのが浅草神社です。

 

三柱の神様が街の様子をご覧になると同時に、神様が地上を巡ることでご利益を授かれるとされ、長きにわたって地域の人から観光客までさまざまな人たちから愛されています。

推古天皇*・・・554年~628年に在位した日本史上初の女帝

 

三社祭は日程によって祭事が異なる

三社祭初日

三社祭の初日には、踊り手や囃子方が舞台風の車に乗って踊りや祭囃子を演奏するお囃子屋台や、舞を踊る大行列を見られます。この行列が神社に着くと浅草神社の社殿で「びんざさら舞」が奉演されます。びんざさら舞は五穀豊穣や悪霊退散を願う田楽舞です。これは、昔浅草周辺が田園地帯であったことの名残が影響しています。

引用:祭2 大行列 | Townwalker

 

三社祭二日目

二日目は、各町会の約100基の神輿が浅草神社に集合し、1基ずつお祓いを受けて町内へと繰り出します。江戸時代までは、3基の本社神輿が隅田川を遡上する船渡御が行われていましたが、現在は100基の神輿が町内を練り歩くスタイルへと変化しています。

 

この100基が浅草寺裏の広場に並ぶ姿はとても神秘的です。

 

三社祭三日目

引用:4年分の思いを込めた…本社神輿担いで浅草を巡行 三社祭最終日 | 東京新聞

三日目は、本社神輿3基が浅草神社を出発して各町内を巡ります。本社神輿は荒く担ぐほど神様の霊力が高まるとされており、神輿を担ぐ人々が押し合いながら各町内40分ほどかけてまわっていきます。その後、日没後に本社神輿が浅草神社に戻り、三社祭は終了となります。

 

三社祭の中でも、一度に100人が神輿を担ぐ本社神輿の渡御は、担ぎ手と観光客の熱気を呼び、メインイベントとして大変な盛り上がりを見せます。

 

浅草神社境内でも、さまざまな伝統舞踊が疲労され、浅草が1年で最も活気づく期間といわれています。

 

三社祭の見どころ

舞踊が無形民俗文化財に指定されている

先程紹介したびんざさら舞は、東京無形民俗文化財に指定されています。紅白の紙を、籾を土にまいて苗を育てる籾撒きに見立てて散らし、編木(ささら)と呼ばれる楽器で演奏をします。さらに、そこに獅子舞が合わされ、五穀豊穣や悪霊退散の願いが込められます。

 

三社祭を代表する三つの神輿

引用:三社祭の日程 | 浅草神社 三社様

三社祭を代表する本社神輿は、それぞれ一之宮、二之宮、三之宮と呼ばれています。

 

一之宮には土師真中知命、二之宮には桧前浜成命、三之宮には桧前武成命の御神霊を移し、町中を渡御します。

 

本社神輿を荒々しく揺さぶるさまは「魂振り(たまふり)」と呼ばれ、これにより神様の霊威を高めるだけでなく、豊作や豊漁、疫病の退散がなされると信仰されています。

 

浅草ってどんなところ?

浅草は東京都台東区に位置し、伝統と現代が融合する日本を代表する観光地です。浅草寺や、日本で最も古い商店街の一つである仲見世通りといった歴史的な名所があり、さらには東京スカイツリーへのアクセスも良い場所となります。

 

浅草の歴史

浅草の歴史は古く、浅草寺は628年に創建されました。その後、江戸時代には庶民の娯楽の中心地として栄え、多くの芝居小屋や遊郭が集まる場所となりました。この地域は江戸時代を通じて、多くの文化や芸術が育まれた土壌となりました。

浅草の観光スポット

  • 浅草寺 - 東京最古の寺院であり、その歴史は1300年以上前に遡ります。徳川 家康も、関ヶ原の戦いの勝利を祈願するために訪れた、由緒正しきお寺です。
  • 仲見世通り - 浅草寺への参道であり、伝統的な日本のお土産や食べ物を楽しめる店舗が連なっています。訪れた観光客に日本の伝統文化を感じさせる空間です。
  • 花やしき - 1853年に誕生した日本最古の遊園地。日本現存最古のローラーコースターをはじめ、さまざまなアトラクションや縁日コーナー、飲食店舗などが並んでいます。レトロ可愛い浅草観光名所の1つです。
  • 東京スカイツリー - 高さ634mを誇る世界一高いタワー。浅草からほど近く、展望台からの眺めは東京観光のハイライトの一つです。

 

まとめ

本記事では、三社祭の歴史や特徴、見どころを紹介しました。 

三社祭は日本三大祭に数えられる伝統ある祭りで、三柱が祀られる浅草神社は徳川家康も必勝祈願に訪れた由緒正しい神社です。

地域や祭りのバックグラウンドを理解し、日本文化への興味や、祭りに訪れた際の愉しみを深められれば嬉しく思います。

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